| 大文字と言えば京都が有名ですが、ここ奈良の地にも大文字があります。この大文字が作られたのは昭和35年と京都の大文字の歴史に比べれば浅いのですが、奈良市民にとってはすっかり定着したものとなりました。 由来ですが、8月15日の終戦記念日である盂蘭盆(うらぼん)に奈良県出身の戦没者29243人を供養する為、鍵田忠三郎氏(後の奈良市長)をはじめ有志の発願によって高円山に創設しました。大の文字は宇宙を意味し人体に潜む七十五法という煩悩の焼却と諸霊に供養する清浄心をあらわします。 |
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今回保存会の許可を得て高円山の大文字火床組み立ての現場へ行ってきました。高円山は元々は近隣の村の薪刈場になっておりほとんどが私有地で、しかも村の境界線が複雑になっていた名残で複数の所有者がいます。大文字のあった場所もそうだったようですが大文字保存会が火床の土地を買い上げたのだそうです。 しかし周辺、芝の部分は長年私有地のままでした。2009年にようやく周りの芝の土地を奈良県が買い上げ保存体制が整いました。ただ、大文字に至る道は私有地なので無断で入る事ができないようです。 |
| 大文字の場所に来て上から見ると「大」の文字に見えません。これがどうやったら下から大の文字に見えるように配置したのか不思議です。今なら携帯電話で下から指示送れると思うのですが、昭和35年当時そんなものあるはずもなく、どうしたのか聞いてみると三笠温泉郷の従業員さんに白旗を降ってもらい、双眼鏡覗きながら試行錯誤し位置決めしたようです。 奈良大文字の特徴は、「大」の文字の第一画目が109m,第二画目が164m,第三画目が128mあり、日本最大級を誇ります。火床の数は108あり人間の煩悩の数と同じです。 |
| 8月15日には点火前に飛火野にて慰霊祭が行われます。この慰霊祭は春日大社の宮司による神式と奈良市内のお寺の僧侶による仏式、両方でが行われます。午後8時頃、慰霊祭終了と共に飛火野に用意された篝火に点火、その合図をもとに 高円山にある大文字に点火され約30分ほど燃え続けます。 この日に販売されるうちわを前もって頂きました。左から東大寺長老の狭川宗玄師、西大寺長老の大矢實圓師の揮毫、大安寺貫主の河野良文師の書です。立派な字で、毎年コレクションしている人もいるようです。 |
| 8時点火から約5分ほどで闇夜にぼぉ〜っと大の字が浮き上がっていきます。現地では点火から消火までの間、三松禅寺の住職による読経が行われます。 奈良大文字の送り火は2009年で50回目となります。この送り火は雨でも警報が出ない限り行われるらしく、50年間中止になったのはたった1回だけで、今までも不思議と点火時間になると雨が止んだりするそうです。これもご先祖様のお力なんでしょうか。 平城宮跡からの大文字の眺めは美しく、点灯が続くこのわずかな時間は、まるで終わりゆく夏を告げているようです。 |

