| ここ新薬師寺は、747年聖武天皇の眼病が治るようにと、光明皇后が行基に薬師如来を祀るために建てさせたお寺と伝えられています。行基といえば大仏建立に携わった人として有名で、近鉄奈良駅前に大仏殿の方角を向いて銅像が建っているほどです。 新薬師寺の「新」というのは「あたらしい」という意味ではなく「あらたかな」つまりご利益が際立っている薬師寺という意味です。 |
薬師寺と関係があるのかと問う人がよくいますが、宗派も違うので特に密接な関係はないようです。ちなみに「新薬師寺」は華厳宗、「薬師寺」は法相宗になります。
| 新薬師寺の修二会は10本の「おたいまつ」と1本の一回り大きい「籠たいまつ」を使います。夜のとばりがおりると国宝である本堂の表が開扉され、1本づつ「おたいまつ」に火が灯され本堂に奉納されます。「おたいまつ」は最初、本堂左から中心へと移動し、中心の灯籠まで来たら奉納の為一旦停止します。そして再び本堂右へ移動していきます。順番は「おたいまつ」10本が終わった後、最後に「籠たいまつ」の奉納になります。 春、桜が満開の時期に行われるので、「おたいまつ」の炎に写る桜がとても綺麗です。 |
| 東大寺二月堂で行われる修二絵(お水取り)と比べるとかなり間近でゆっくり移動するので迫力があります。「おたいまつ」が通過するときに炎が目の前で吹き上がり歓声が湧き上がります。この重そうな「おたいまつ」は一人で支えているのですが、東大寺の修二絵のように派手に振って火の粉を落とすというようなことは、ほとんどありませんでした。それでも11回中2回くらいはやっていただけました。燃え残った炭は持って帰ると無病息災であるということで、この行事のあとすぐに観光客が取り合ってました。 |

| 近年テレビなどの影響で観光客が増えました。昔は3、4人しかいない時もあったようですが、今は少し後ろだと見えづらいです。 「おたいまつ」のあと修二会の法要が行われます。国宝である本尊 薬師如来座像を目の前に祈りがささげられます。ふくよかで大きく見開いた切れ長の目の薬師様のお顔は先入観なしに見るものを圧倒します。眼病や耳病の仏様としてお参りする人が多いようです。 この「おたいまつ」の行事は天平時代から続いているのですが、そう考えながら薬師様を拝むと時代を超えた人々の平和への祈りが伝わってくるようです。 |

