| 近鉄奈良駅のすぐ近くには漢国神社(かんごうじんじゃ)という神社があります。その由緒は古くすぐ近くにある率川(いさがわ)神社と同じ頃に建てられた奈良市で最古の神社の一つです。漢国神社は、一殿三座で左は推古天皇の元年(592年)の勅命により大物主命(おおものぬしのみこと)を祀り、その後、藤原不比等が真ん中にある大己貴命(おほなむちのみこと)と右にある少彦名命(すくなぬひこなのみこと)を合祀したとされています。しかし、様々な説が存在し創立には謎の多い神社です。 |
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その境内の一角に林神社(りんじんじゃ)と読ばれる小さな社殿があります。南北朝時代に中国の杭州から渡来した林浄因(リンジョンイン)という人を祀っています。日本で最初にあんこの入った饅頭を作った人で、この神社すぐ近くに住んでいました。 元々は中国の饅頭(まんとう)をヒントに作られものだったようです。中国の饅頭とは肉や背脂の入ったいわゆる肉まんですが、それだと不殺生戒を戒律としている仏様のお供え物に使えないという事で考え出されたのが、小豆を煮詰めて味付けしたあんを小麦粉を練った皮に包んで蒸したものだったようです。 |
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「奈良饅頭」として日本で最初に作った饅頭は当時ものすごい人気でした。まだそれほど甘い物が少ない時代に人々の心を打つ食べ物だったに違いありません。 後村上天皇に献上すると饅頭をいたくお気に入り、林浄因は宮女を賜ったとされています。その結婚式に紅白の饅頭を各所に配り、子孫繁栄を願いその一組を埋めたとされるのがこの「饅頭塚」とされています。 めでたい時には紅白の饅頭を配る風習はこんなところから来ているようです。 |
| 林神社は昭和24年に当時の漢国神社の宮司が、菓子業者の協力を得て建てたもので比較的新しいものです。そして林浄因の命日が4月19日だったということで、全国の菓子製造業者に呼びかけて始まったのが、この饅頭祭りです。全国からお菓子会社の社長さんが訪れます。結構遠いところからも来ておられるようで驚きました。奉納されたお菓子はひな壇には所狭しと並んでいます。 一番端に塩瀬総本家から奉納された饅頭がありますが、ここは林浄因の子孫にあたる饅頭屋です。 |
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祭りは玉串奉納や商売繁盛の祈願など比較的簡素なもので、小1時間ほどで終わりました。本殿で最後に全員、拝礼しその後お饅頭とお茶がふるまわれます。このお饅頭は実演で祭りが始まる前に餡を入れて蒸していました。見学させていただいたのですが実に動きが手早く、手際よく作るのには驚きました。 最後に一般にもお饅頭を頂けます。久し振りに行ってみると整理券方式に代わってました。きっと人が増えたんですね。日本人は饅頭好きということでしょうか。 林浄因の故郷にである中国杭州にも碑が建てられ毎年、饅頭祭が行われているようです。 |

