| 依水園(いすいえん)は奈良県庁のすぐ東にあるのですが、少しわかりずらい場所にある為に知らない人も多いのではないでしょうか、ここは国の名勝指定を受けた奈良県を代表する観賞庭園です。 春日奥山から奈良公園を流れてくる吉城川沿いにあって、「依水園」という名はこの吉城川の水に依っているという事と、杜甫の漢詩に「名園緑水に依る」という一節を引用したとも伝えられているようです。 |
| 入り口を入ると右側(西側)の前園と、左側(東側)の後園があり、作られた時代がまったく違う2つの庭が組み合わされ大庭園となっています。前園のあった場所は興福寺古絵図によると興福寺子院の摩尼珠院(まにしゅいん)の別業があった場所とされています。 江戸時代前期に奈良晒(さらし)業者であった清須美道清の別邸を建て庭を造園しました。その当時の建物「三秀亭」が現存しており、そこで昼食を頂くこともできるようです。 |
| そしてこちらが明治後期に裏千家十二代家元によって作られた後園です。借景がすばらしく遠くには若草山、春日山、御蓋山(みかさやま)が、すぐ手前には東大寺南大門が見えます。晴れた日は池に南大門の屋根と空が写りこみ奥行きを感じさせます。ここは街中にあるにもかかわらず、近代に作られた他の建物や電柱など、全く見えないのがすごいです。植物の成長など多少の違いはあるとはいえ作られた当時と同じ風景を見ているのかもしれません。そう考えると不思議な感じがします。 |

| 後園にある書院造りの建物ではお抹茶を頂くことができます。ふと前を見ると縁側のガラスにも借景が写りこんでいました。建物自体も庭の池同様に空間の広がりを感じさせるようです。 縁側に腰かけて庭を眺めていると、奈良独特というか落ち着いた空気感があります。友とのんびり語り合うには良い雰囲気ではないでしょうか。 |
| 池泉回遊式庭園なので、借景の池を囲むように遊歩道があり散歩できるようになっています。苔むした庭の中を踏み石を上ると水車小屋があり、その先には池の飛び石へと続きます。散策していると、ときどき鶯のさえずりも聞こえてきます。 庭園は春だとつつじ、菖蒲などが咲き新緑に映え、夏は蓮や百日紅、秋は紅葉と四季折々の花を楽しむことができます。 奈良の隠れた穴場なのでぜひ一度訪れてみて下さい。 |
