| そうめんの産地で有名な三輪には高さ22mの大鳥居で知られる大神(おおみわ)神社があります。この大鳥居は昭和59年の昭和天皇ご親拝を記念し大通りに面して建てられたものです。しかしこれは一ノ鳥居ではなく、本物は南側の細い参道に一ノ鳥居がひっそり建っています。 ところで大神とかいて「おおみわ」となぜ呼ぶのか不思議に思い調べてみると古代この地で神といえば、「三輪の神」の事をさしていました。そしていつからか「神」という字に「みわ」と当て字されたようです。 |
| ここの大神神社は大物主神(おものぬしのみこと)を主神とし、大己貴神(おおなむちのかみ)と少彦名神(すくなひこなのかみ)を祀っています。その大物主神(おおものぬしのみこと)がすぐ後ろにある三輪山に魂を鎮めたとされたことから、三輪山自体をご神体としています。よってこの写真の建物は本殿ではなく、すぐ後ろに三輪山を拝するという拝殿にあたります。 日本書紀には大神神社の創始に関する内容が書かれ、天皇がまだいない時代の出来事であったことから、大神神社は日本最古の神社と言われています。 |
拝殿の後ろがすぐ三輪山で禁足地となっているのですが、社務所に頼んで奥に通してもらうと普段見ることのない3つつながった鳥居が見れます。拝殿と禁足地を区切る珍しい三ツ鳥居で、国の重要文化財にもなっています。瑞垣(みずがき)いわゆる神社を囲う垣根の一部に埋め込んであるような形です。真ん中の鳥居には扉がついており、年1回お正月の繞道祭(にょうどうさい)のときだけ開かれ、禁足地でつけられた御神火がこの三ツ鳥居をくぐります。神聖な場所で写真撮影は禁止されています。よって本物は掲載はできないのですが、模型の掲載ならいいということで許可を頂きました。
| 三ツ鳥居は室町時代の古図に描かれていることからそれ以前からあった事は確かです。実は1kmほど北に離れた大神神社の摂社である桧原神社(ひばらじんじゃ)に同じ形のものが存在します。こちらは昭和40年に復元されたものです。ここも三輪山がご神体ですが、本殿も拝殿もなくぽつんと三ツ鳥居があります。その奥には、神霊を招くための神籬(ひもろぎ)と磐座(いわくら)を祀っています。三ツ鳥居が何を意味しているのか不明ですが、大神神社の記録によると「古来、一社の神秘なり」とのみ書かれているだけのようです。 |
| 明治以降はご神体の三輪山にも登拝することが可能になりました。隣にある狭井神社(さいじんじゃ)で、申し込みを行い、「三輪山登拝証」と書かれたタスキをかけ、お祓いをすませてから登拝することができます。登拝はPM2:00まで3時間以内、撮影禁止、ゴミ捨て禁止などいくつかの条件がありますが、基本的に誰でも登ることができます。ただご神体に登拝しようとする人はそれだけの想いを持っている人がいるので様々な人がいるようです。実際登ってみると少し驚くかもしれません。 あと狭井神社は病気を鎮める神としての信仰が厚く、ご神水の湧き出る薬井戸があります。水を汲みにくる人も多いようです。 |
| 日本書紀や古事記、万葉集などにも登場する大神神社、その信仰は太古から途切れずに受け継がれ現在に至っているのはある意味すごいことだなと思います。それだけ人々に受け入れられた普遍的な信仰だったのでしょう。 近年スピリチュアルブームで、パワースポットとしてメディアで語られるようになったせいか大神神社を訪れる人も増えたのではないでしょうか。実際行ってみるとわかるのですが、なんとなく雰囲気が異なるこの場所から受ける感覚は、ここが神霊が宿る地であると言ってるのかもしれません。 |

